彼。(高校部・2019年夏)
八月になりました。
高三生の最後の夏が始まります。
今日は、ある部員のことを書きたいと思います。
初めてプレイを観たのは、彼が中ニの秋のこと。
人工芝に生まれ変わった、ベンツマーク校グラウンドで行われた秋の区の予選でした。
最後尾に位置する彼。
精悍、はつらつ。
一目観て、彼がこのチームのアンカー(錨)なんだと分かりました。
笑顔の似合う彼でした。
そして、高校部での活躍は間違いないものだとわたしは思いました。
しかし。
それからの二年と少し、彼は怪我と体調不良に悩まされました。
上板橋の私立校。
ここでは、多くの公式戦が行われます。
グラウンドから見ると、校舎練は1階分高い位置にあります。
わたしは正面校門からではなく、グラウンド横の出入り口から入場することが常。
そしてすぐ左の階段を校舎練に向かって上がる。
上がりきるとそこには多少のスペースがあり、そこはここに集まる多くのチームの荷物置き場となっています。
わたしは、そこに座っている彼の姿をよく目にしました。
チームメイトの荷物の番をするかのように、高い位置から彼らの練習を見守るかのように、彼は座っていました。
‘調子はどう?’
わたしにとって一人でいる彼はかえって話がしやすく、よくこう話しかけました。
答えは、決して芳しいものではありませんでした。
このまま彼は、縁の下の力持ちで終わってしまうのだろうか・・。
高三の春。
新高島平の都立校。
驚くことに、彼は最前列でグラウンドに戻っていました。
彼は満面の笑みでプレイをしていました。
この二年間を取り戻すかのように、満面の笑みでプレイをしていました。
またサッカーが出来る、試合に出れるという喜びが彼の姿には溢れていました。
試合後、彼はわたしの近くを通り過ぎるとふと脚を止め、話しかけに来てくれました。
サッカーを始めたばかりの小学生のように、嬉しそうに話してくれました。
良かった・・・。
本当に良かった。
わたしは、サッカーの神様はいるとこのブログで書いてきました。
この競技に真摯に向き合う選手には、必ずサッカーの神様は姿を現してくれる。
高三生の彼らが、最高の思いでやり切れることを願っています。
8月11日(日)9:00キックオフ予定
対 都立T山高校
於 都立T山高校
選手権全都予選1回戦
8月14日(水)9:30キックオフ予定
対 都立O島高校
於 K沢補助競技場
選手たちへ、惜しみない声援をお願い致します。
がんばれ、ベンツマークイレブン。
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お久ぶりです。
そうです、神様はいらっしゃいます。じっと、3年間頑張っていると、何かしら、運が向いてきます。私の応援している高校でも、遠距離通学(かなり居ます)で、3年間頑張っていた子、なんとなく1年生から気にしていましたが、最後までAチームに上がれず、でも練習し続け、徐々に上手くなっていましたが、大会はいつも応援でした。ところが、大学進学の時に、彼は希望の大学に真っ先に推薦で決まりました。凄く嬉しかった事、神様がいらしたことに感謝した事を覚えています。
初戦突破おめでとうございます! 次は、古豪ですね、
かなり個人技はありますが、数人のグループとしての戦術は少し弱いチーム(初戦を観戦した状況では)でした。健闘をお祈りします。
東京 高校サッカー大好き小父さん様
こちらこそ、ご無沙汰しております。
長く観戦を続けているうちに、サッカーの神様はいるんだとますます思うようになりました。真摯にプレイを続けている選手には、どこかのタイミングで小さくとも大きな恵みを与えてくれているように思えてなりません。
組合せ表を見たときに、このブロックでは一番厄介な相手だと思いました。(が、隣の山でわたしの予想が外れて、ここだけじゃないと思い直しています。)次戦は応援に行けません。わたしも彼らの健闘を祈るばかりです。
コメントありがとうございました。