中学総体のビデオを見ました。(2019年夏)
先に終わった中学総体 都予選の二試合を保護者様のご厚意で拝見することが出来ました。 おそらくこの予選会に参加した全部員は、様々なことを感じたのではないでしょうか?
第一試合。 両校に力の差はほぼなし。 早々の失点は本当のミスで、逆に割り切れたのではないでしょうか。
この試合での収穫はやはり、追いつけたことでしょう。 ベンツマーク校はわたしが見て来た限りでは、代々典型的な先行逃げ切り型のチーム。 先制されると気持ちの弱さが出てしまうことが多々ありました。 上位大会で追いつき逆転をしたことは、彼らにとって大きな自信になったのではないでしょうか。
またこの試合で、日ごろの練習は嘘をつかないと感じたプレイヤーもいたかもしれません。 サッカー部員は、練習にて本当によく走らされているようです。
中学部では校内練習での走り以外、外苑あたりでの‘走り’がよくあるようです。 練習試合中の罰ゲームとして、サイドラインを繰り返し走らされている姿もよく目にしました。
ビデオ中、前半終了間際には相手校の中に腰をかがめたり、両手を横腹に添え始める選手がちらほら見え出します。 バテ始めた証拠です。 一方、この時点ではベンツマーク校のイレブンにはその兆候が出ていません。
長男がある試合で言っていたことを思い出しました。 ‘相手がバテ始めるのが分かると、この試合は負けないと思った。’
これも日頃の練習の賜物でしょう。
さて、第二試合。 打って変わって、相手との間に個々の技術の差・体格の差あり。 わたしはこの試合を通じて、学ばなくてはいけないこと・学んだことが多くあったに違いないと思います。
試合を通して、ボール支配率は相手に分がありました。 技術と体格、そして連携を以って相手校は余裕を持ってプレイをしていました。 対して、ベンツマーク校には常に窮屈感が見て取れました。
こう言う状況の場合、どうすればボールポゼションを挽回できるのでしょうか。 わたしは、予測・姿勢・位置ではないかと思います。
状況を予測して、ボールをもらうべき位置に移動する。 その際に、より相手からのプレッシャーをはねのけ易い姿勢や向きでボールを受ける。 そして、次の行動が素早く動くことが出来る位置にボールをトラップする。
これらはジュニア(U-12)の時代に学ぶことですが、実際にはそう簡単なことではありません。 この試合でこのことを再認識してくれた選手がいたならば、それだけでもこの大会での収穫と言えるかと思います。
予測・判断と言えば、この試合でとても印象に残るプレイが一つありました。 ここ数年の試合の中で、一、二を争う素晴らしいプレイだったのではないかとわたしは思っています。 そのプレイは。
後半、同点に追いつくプレイがあります。
右サイドをベンツマーク校イレブンがドリブルで駆け上がります。 相手センターバックがカット。 そのセンターバックにベンツマーク校9番がプレスをかけます。 (この時点で、9番は転んでいる)
ボールがこぼれて、相手サイドハーフに渡ります。 このサイドハーフは一度体勢を立て直すために、センターバックへボールを戻します。 そしてこのセンターバックもGKに戻して体勢を整えようとします。
ここからの9番のプレイです。
彼はすぐに起き上がり、ボールを保持している相手センターバックには見向きもせずGKに一直線に走って行きました。 ここで目前のボールにプレスをかけに行ったならば、全く間に合わなかったことでしょう。 しかしそれでも、多くのプレイヤーは目の前のボールに行ってしまうとわたしは思います。 身体がそう動いてしまうからです。
押し込まれた相手チームの体勢やそのセンターバックの身体の向きから予測して、間違いなくGKにパスが渡ると判断したのでしょう。 そうとしか思えません。 相手センターバックの背後を通って一直線にGKに向かって走って行っていますから。 そして、ぐんぐんスピードを上げてスライディングするような形で相手GKのトラップにコンタクトしました。 それが同点弾となっています。
このプレイを何度も見直してしまいました。 予測・判断、そして諦めないその気持ち。
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