トレジャーハンティング。
この時期の観戦は寒くて大変です。
着ぶくれもいいところ。
けれど、わたしはこの時期の試合観戦が大好きです。
それは、宝物を見つけ出せるから。
特に中学部では。
入部して半年足らずの新人戦。
この時期はまだまだ上級生との力の差は大きい。
力の差と言うよりは、身体の差と言った方が良いのかも知れません。
わたしはよく‘すね毛の差’と言っていました。
まだまだツルツルきれいなすねをしている新入部員に対して、一年が過ぎ毛むくじゃらになりかけている上級生。
すね毛の差ほど、身体の強さ・体力の違いがあります。
彼らが台頭してくるには、初めて迎える秋は時期がまだ早いかもしれません。
それが二月頃になると、なぜか二月頃、気になる影が目に入ってくるのです。
ビデオを撮っていても、カメラを流していても、何かがちらつくようになるのです。
そろそろ慣れてくるのでしょうね。
そして、その変化を監督先生はよく見ているのなぁと感心させられるのもこの時期なのです。
あれは長男が中二の二月。
ある試合。
見慣れないイレブンの姿が目に入りました。
主役ではないのですが、フレームの場所場所に入り込んでくる。
彼は試合中ずっと叱られていました。
‘ボールに寄るな。自分のスペースを大事にしろ。いっその事、ライン外に出てしまえ。’
そんな指示をずっと受けていました。
サイドハーフに入った彼は、逆サイドで展開されているボールに近づいてしまう癖があったのです。
相手味方多くのプレイヤーが逆サイドで展開されているプレイに没頭している。
待てば彼の目の前には広大なフリースペースが広がるのに。
試合も終盤。
彼が我慢したのです。
しかし、味方からはボールは出ませんでした。
その瞬間、彼の姿と先生の厳しい声を追っていた保護者たちが口を揃えて言いました。
‘出してやればいいのに!’
そして、先生が振り向いておっしゃいました。
‘そうでしょ!’
先生はこの瞬間を待っていたのでしょうね。
彼は全くのノーマークでした。
先生はよく見ている。
この時ほどそう思ったことはありませんでした。
それから六年。
わたしは彼の姿を追い続けました。
身体は決して大きくなく、線も細い。
しかし、わたしにとっては最高のストライカーでした。
そんな場面を数多く目にしました。
この寒さを少し我慢して観戦に行ってみませんか?
マイ・トレジャーハンティング。
密かな楽しみが得られるかもしれませんよ。
がんばれ、ベンツマークイレブン。
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